SEISA DOHTO UNIVERSITY

美術学部 建築学科

2024.09.30 オープンキャンパス「インテリア小物になる装飾レリーフを作ってみよう」レポート
美術学部 建築学科

9月21日(土)に、「インテリア小物になる装飾レリーフを作ってみよう」という体験授業を行いました。
今回は初プログラムで70分と長いものになり、高校生4名が参加してくれました。
そのうち一名は、参加者のお姉さんで英文科に通う現役女子大学生でしたが、せっかくなので一緒にやっていただきました。
皆さん、楽しいと言ってくれてなんとか作品完成に至りました。

ハートをモチーフとしてそれぞれが好きな色の紙に下図を描き、切り込みを入れて
額装しました。同じ図柄でも色の違いで色々な表情が出ていますね。





さて、「レリーフ」とは何でしょうか?
レリーフで検索してみると、もしかしたらこんな感じの装飾が出てくるかもしれません。



(著者がAIでイメージ制作)
レリーフは、一般的には壁に施された浮き彫りのような装飾などを指しますが、つまりは
半立体の壁面装飾だということです。
注意してみると、意外と街中でも遭遇します。
装飾のモチーフは植物や花のような具体的なものから、幾何学的な模様など、様々です。

建築やインテリアの学びには、平面(二次元)と立体(三次元)の関係性をよく理解することが大切なのですが、
レリーフという半立体は、平面から立体へ移るその中間に位置していて、
テーマとして非常に面白いと思います。

そこで、平面(二次元)が最も単純に立体になるプロセスを今回は体験授業に盛り込みました。
また、建築ならではの道具や設備を体験することも兼ねて、「ドラフター」を使って作業をしてもらいました。
ドラフターというのは、図面を描くための道具です。こんな感じ



見たことありますか?
机の角度や、高さを調整できて、机にくっついている自由自在に角度や位置を変えられる定規(ドラフター)を使って
図面を素早く簡単に正確に書くことができます。
近年ではCADによる、コンピューターでの図面が一般的になってきて、仕事場でもあまり見かけることはなくなりました。

実際、仕事の中でなかなか手描きの図面を描く機会は減っています。
しかし、建築士試験では2次試験は手描きですし、やはり手で図面を描ける、ということはとても重要なのではないかと思います。

余談ですが、少し前に、「ゲーム・オブ・スローンズ」という海外で大人気だったドラマシリーズにハマりました。
非常に壮大な歴史ファンタジーなのですが、ドラマ内での素晴らしい街並みや建築が非常に良くできているのです。
ドラマがあまりにも人気だったため、舞台の裏側を詳細にレポートした番組があり、そこでどのように空間を設計しているか?
というチームにも密着取材していました。当然、実際の建築を作ることと、それ以上に芸術性やドラマならではの技術を求められる現場です。
そこでは、意外にもドラフターの手書きで細かい装飾の施された舞台となる建築をデザインしている場面があり、
感心しました。

まだまだ、手描きの図面の出番というのは無くならないと思っています。


そんなふうに、手描きの図面を描く場面で大事なドラフターで下書きを作成してもらい、それを
カッターで切るなど、作業をしてもらいました。



この一連の作業には、本学の学生スタッフが大活躍。



一人一人丁寧に、高校生の皆さんに使い方などをサポートしてくれていました。
ありがとうございました。

そんな皆さんの助けもあって、なんとか作業完了となりました。
また、来年もこの体験授業を実施できれば、やってみたいと思っています。
時間の関係、また、人数が多くなるとプログラム内容なども少し変更があるかもしれませんが、
皆さんも体験に、いらしてください。


体験授業担当: 建築学科 赤木 良子