好奇心があって
ものづくりが好きなら
建築で力を伸ばそう。
向井 正伸
美術学部 建築学科
専任講師
エキサイティングなゼミ活動、
学生の成長を自分の励みに。
10年間の設計事務所勤務を経て独立し、縁あって2021年度から星槎道都大学で教鞭を取っています。私が大学・大学院で設計を習った先生方の多くは、第一線で活躍している建築家でした。そんな建築家から授業などの折に直に聞いた言葉が、自分が建築の勉強を続けていくうえでしばしば大きな刺激となりました。ですから「いずれ自分も、そうした存在になれれば」と、大学で設計を教えることに一種の憧れを抱いていました。
昨年(2022年)は向井ゼミの一期生となる8人とエキサイティングな活動を展開できました。設計事務所で行っているプロジェクトを一緒に考えたり、中標津の空き店舗の利活用をデザインしたり、横浜で開催された展覧会に出品する模型を一緒に作ったり、そのたびに学生の成長が感じられた1年でした。ゼミ生が就活用のポートフォリオ(自分の作品集)を見せてくれましたが、申し分のない表現スキルで、私の方こそ学生から大いに刺激を受けています。
答えが見つけにくい、困難な時代を迎えています。直面する課題に自ら取り組み、優れたものを求めて仲間と協力する―そんな積極性と協調性が学生のなかで大きく育つような学びの場をつくっていきたいと考えています。
生活のすべてが学びの対象、
それが建築のおもしろさ。
建築学科の魅力は、私たちを取り巻く空間と私たちの生活との関わりを具体的に学ぶことができる点です。たとえば、街を歩くこと、旅行すること、とにかく生活することの全てが学びに変わります。実際、ゼミでは街に出て空間デザインを考えます。私も学生と一緒に街に飛び出して発想のヒントや新しい視点を得るのを毎回楽しみにしています。
一方、建築のようなものづくりは、困難の連続です。それを乗り越えるために必要なのは「新しいものに出会いたい」という好奇心と、「ものをつくることが好き」という気持ちです。好奇心を持ってものづくりを楽しめる―そんな学生に出会い、建築設計の魅力を存分に伝えていきたいです。
建物、とくに大きな建築物は、一度建つと最低50年程度は世の中に残ります。つまり50年先の人たちの生活にも影響するわけです。したがって建築設計では、少し先の未来も見据えなければいけません。ゼミでは今という時代を客観的に見直すことも課題にしており、学生と一緒に未来を見る眼を養いたいと考えています。